Emu’s blog

よくある日記

「記憶」

眩い日差しの下、草花をキャンバスに描いた幼い君は
その光景が脳裏に焼きつき、何十年と反芻することになるとは露程も思わなかっただろう

おぼつかない心のままにみんなと歌ったあの日も
もう二度とやってこない輝かしき日だとは自覚していなかっただろう

苦しみを押し殺し、歯を食いしばりながら通ったあの道は今も変わらず
君に帰る場所を与えてくれた

日中閉めきられた校門の向こうは明るい
音楽室の子どもたちの歌声も
グラウンドで弾ける笑い声も遠く聞こえて
甦らない日々を知り
積み重なった時間を抱きしめて
私は小学校の側を通過した