Emu’s blog

よくある日記

「春」

用水路に棲まうメダカの群れより

外れるメダカがひとつ、ふたつ

次第に増えてはまた小さな群れとなり廻る

 

人のゆく宛は元よりあるか

堆積する時間感覚の中に生きる旧い者たちの

夢見る発展形のなかで逸れる者がひとつ、ふたつ

次第に増えては群れとなり立ち止まる

 

何に言われるまでもなくゐる確固たるわたくしは

何に言われるまでもなくゐてほしい貴方方の微笑みを

乞いて乞いてたまらず野の花に託す

 

誰に見つけられるでもなく

ぽつねんとして咲くわけでもなく

淡淡と生きて、生き抜いたどこかのそれが

わたくしに語りかける

燦然とした

何に言われるまでもなくゐる姿を以て

静かな日だまりを連れてくる