「水のもの」
澄んだ貴方
飲み干す私
不純なものが
押し出されていく
透明な貴方は
身体中を巡り
そして
私に取り込まれる
夢は叶えられ
ひとつにふたつがあるようだ
波紋を呼ぶ静かな水面
衝動を喚起するその力を前に
風はヒュウヒュウと
全身を震わせて
揺れることしかできない
そんなちっぽけな存在を
貴方は大きく見せてくれる
心の汀を通り抜け
多くの光を反射して
いつまでも魅了する
空しく光る海面に
重ねた時間を回顧して
海と川の交じる地点で
風ははらりと翻る